生命保険を売却できる日は来るか~ライフセトルメントが日本に本格上陸する条件~

グローバリゼーションの反動としてある種のナショナリズムが見ることができるとはいいつつも、長い目でみれば金融自由化や貿易自由化の波は進んでいくものと思われる。2019年からは少なとも日本とフランスの二国間で貿易自由化がさらに促進されることが決まっている。日本においてはフランスワインやチーズが安くなっていくだろうし、フランスにおいては日本のクルマが相対的に安く購入できるようにはなるだろう。

生命保険という金融商品においても、その波から逃れることはできまいとみている。海外ではライフセトルメントと呼ばれる「生命保険を売却する(解約ではない)機会」が多く提供されている。本人の死亡まで生命保険に入っているよりも額はもちろん少なくなるが、生前に現金で売却できるというものだ。日本においては2017年現在生命保険の売却は禁止されている。特に日本人の気質的に生命保険の生前売却にはモラルが邪魔をする可能性も強いし、生命保険を担保にお金を借りることもできるから早急に必要かというとそんなこともないだろう。比較できる話として居住する住宅を担保にお金を借りるモーゲージ商品も一時期ブームになった。居住する家を売るのではなく、それを担保にお金を借り、本人死亡時などに売却して銀行に返済する仕組みだ。あるアセットを売却せずに担保に入れお金を借りることの利点はもちろん大きいが、一方で負債が残るということも間違いのない事実だ。終活ブームの昨今、特にミドルクラスにおいては、住宅や生命保険というアセットの裏側に負債があるというのもその気質にあわないのもまた事実だろう。

生命保険会社からみた場合、生命保険を買い取ったファンドが生命保険を売却した個人が死亡するまで保険金を代わりに払い続けるわけだから、収益構造上の問題はなにもないのである。ライフセトルメントが日本に本格上陸する日はやってくるとみているが、生命保険の相続時非課税枠が拡大するか縮小するかが金融商品として成立していくかどうかの分かれ目だとみている。

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